古着選びで失敗しやすい原因の一つが、サイズ表記への過信です。現在のサイズ表記と、数十年前に作られた衣類のサイズ表記は、同じ号数やアルファベット表記であっても、実際の寸法が異なる場合があります。アイテム別の見分け方で紹介した観察ポイントとあわせて、サイズの考え方も押さえておくことで、通販での失敗を減らせます。特に肩幅と身幅は着用感を大きく左右する部分ですので、優先して確認する習慣をつけておくとよいでしょう。
それでは、サイズ表記の歴史的な背景から順番に見ていきます。このページでは、サイズ表記の変遷、実寸で選ぶ基本の測り方、オーバーサイズの着こなし方、体型別の選び方の考え方まで、購入前に知っておきたい実務をまとめて紹介します。実寸の考え方は一度身につければ、ブランドや年代が変わっても応用できる知識ですので、最初にしっかり確認しておくことをおすすめします。
サイズ表記の変遷を知る
号数・S/M/Lの基準は時代で変わる
日本国内で販売されていた衣類のS・M・Lという表記や、号数による表記は、時代とともに基準となる身体寸法が見直されてきた経緯があります。同じ「M」という表記でも、数十年前に作られたものは、現在のMサイズよりも小さめに作られている傾向があるとされ、表記だけを頼りに購入すると、想定より小さいという結果になりやすい点に注意が必要です。
海外規格(US・UK・EU)の読み方
海外ブランドのヴィンテージアイテムには、US(アメリカ)やUK(イギリス)、EU(ヨーロッパ)の規格でサイズが表記されている場合があります。これらの規格は日本国内の号数表記と単純に対応するものではなく、規格ごとに基準となる身体寸法の考え方が異なります。海外規格のタグを見た際は、規格名の表記とあわせて、次に紹介する実寸を必ず確認する習慣をつけることをおすすめします。
実寸で選ぶ基本
着丈・身幅・肩幅の測り方
実寸で選ぶ際に基本となるのが、着丈(襟の付け根から裾までの長さ)、身幅(脇の下から脇の下までの幅)、肩幅(肩の縫い目から縫い目までの長さ)の三箇所です。手持ちの服のうち、着心地がよいと感じるものを平置きにして同じ箇所を測っておくと、通販サイトに掲載された実寸と比較する際の基準になります。メジャーがない場合は、紐やリボンで長さを取り、あとから定規で測る方法でも代用できます。
タグ表記と実寸のズレが起きる理由
同じサイズ表記のタグが付いていても、ブランドや製造年によって実寸が異なる理由には、規格の改定に加えて、生地の伸縮性や経年による縮みも関係します。特にコットン素材は、洗濯を重ねることで多少縮む場合があるため、タグ表記の号数よりも、出品時に測定された実寸を優先して確認することが、失敗を避ける最も確実な方法です。
実寸の目安を自分の基準として持っておく
あらかじめ、普段よく着ているトップスやボトムスの着丈・身幅・肩幅を測ってメモしておくと、通販サイトの実寸表記を見たときに、自分の基準とどの程度差があるかを瞬時に判断できるようになります。特に身幅は数センチの差でも着用感に影響しやすいため、複数の手持ち服を測り、許容できる範囲をあらかじめ把握しておくと、通販での失敗をさらに減らせます。
お直し・リペアで調整するという選択肢
実寸が理想と少しずれている場合でも、お直しで調整できる範囲であれば、そのアイテムを選択肢から外す必要はありません。裾上げや袖丈の調整は比較的取り組みやすいお直しの代表例で、専門店に依頼すれば、生地の風合いを保ったまま丈感を整えられます。
一方で、身幅や肩幅を大きく詰める・出すお直しは、デザインのバランスが崩れたり、費用が高くなったりする場合があります。お直しを前提に購入を検討する際は、事前に対応可能な範囲と概算の費用を専門店に確認しておくと、想定外の出費を避けられます。生地が薄くなっているヴィンテージアイテムは、加工中に負担がかかりやすいため、経験のあるお直し専門店に相談すると安心です。
オーバーサイズの着こなし
体格に対してゆとりを持たせる考え方
ヴィンテージアイテム、特に1990年代以降のアイテムには、体格に対してゆとりのあるサイズを選び、あえて大きめに着崩すスタイルが好まれる傾向があります。オーバーサイズを選ぶ際は、肩幅の位置が極端に下がりすぎないかを基準にすると、だらしなく見えるバランスを避けやすくなります。
レイヤードでバランスを取る
トップスをオーバーサイズにする場合、ボトムスは比較的すっきりしたシルエットを選ぶと、全体のバランスが取りやすくなります。逆にボトムスにゆとりを持たせる場合は、トップスをコンパクトにまとめると、体型を問わず着こなしやすい組み合わせになります。レイヤードを取り入れる際も、重ね着全体の身幅がどの程度になるかを意識すると、着膨れを防げます。
体型別の選び方の考え方
肩幅や腕の太さが気になる場合
肩幅や腕の太さが気になる場合は、肩の縫い目の位置が実際の肩の位置よりもやや外側にくるサイズを選ぶと、窮屈さを感じにくくなります。逆に肩の縫い目が内側に入り込みすぎるサイズは、腕の動きを制限しやすいため、試着や実寸の確認で事前にチェックしておくことをおすすめします。
身長や着丈のバランスが気になる場合
身長に対して着丈が長すぎる、あるいは短すぎると感じる場合は、ボトムスとの重なり方で印象が変わります。長めの着丈はゆったりとした落ち着いた印象を作りやすく、短めの着丈は軽やかな印象を作りやすいため、好みの印象に合わせて着丈のバランスを選ぶとよいでしょう。腰回りが気になる場合は、ボトムスの股上の深さもあわせて確認すると、シルエット全体の印象をより細かく調整できます。
季節・重ね着を前提にしたサイズ選び
秋冬に重ね着を前提として上着を選ぶ場合は、中に着るインナーやニットの厚みを考慮して、普段よりもワンサイズ大きめを検討すると、着膨れせずに重ね着を楽しめます。反対に夏場に一枚で着るシャツやTシャツは、身幅にゆとりを持たせすぎると涼しく感じにくい場合があるため、季節ごとの着用シーンに合わせてゆとりの度合いを調整する視点も持っておくとよいでしょう。
性別を問わずに楽しむサイズの考え方
メンズアイテムをレディースが着る、その逆も一般的
ヴィンテージファッションの楽しみ方の一つに、メンズのアイテムをレディースが着用したり、その逆を試したりする、性別の区分にとらわれないコーディネートがあります。特に1990年代以降のオーバーサイズのTシャツやスウェットは、もともと男女どちらの体格にも対応しやすい作りのものが多く、サイズ表記の性別区分よりも、実寸で選ぶ考え方がそのまま活用できます。
小柄な方が大きめサイズを選ぶときの調整ポイント
小柄な体格の方が意図的に大きめのサイズを選ぶ場合は、肩幅が極端に落ちすぎないサイズを基準にしつつ、袖丈や着丈をロールアップして調整すると、バランスを保ちながらオーバーサイズの雰囲気を楽しめます。腕まくりや裾のロールアップは、ヴィンテージ古着の着こなしでよく使われる調整方法の一つです。ベルトで腰の位置を調整したり、袖をまくって腕元にゆとりを持たせたりする工夫も、購入後に自分の体格へ合わせていくための実用的な手段として覚えておくとよいでしょう。
よくある誤解を解いておく
「フリーサイズ」表記は年代によって幅がある
ヴィンテージアイテムに「フリーサイズ」と表記されている場合、現在のフリーサイズ表記よりも幅の狭い基準で作られていることがあります。フリーサイズという言葉だけで判断せず、必ず実寸を確認することが重要です。
試着できないからといって諦める必要はない
通販やフリマでは試着ができませんが、実寸を測って手持ちの服と比較する方法を身につければ、試着なしでもある程度の精度でサイズ感を予測できます。届いた後にサイズが合わなかった場合の返品・交換条件を事前に確認しておくことも、通販での購入を安心して行うための実務の一つです。
複数枚をまとめて注文しサイズを比較する方法
どうしても実寸だけでは判断がつかない場合、条件が近い複数のアイテムをまとめて注文し、実際に比較したうえで、合わないものを返品する方法を取り入れる購入者もいます。この方法を使う場合は、事前に返品の条件や送料負担、期限を必ず確認し、無計画な購入にならないよう、比較する候補の数をあらかじめ絞っておくことが大切です。
体型に自信がなくてもオーバーサイズは楽しめる
オーバーサイズの着こなしは、体型を隠すためではなく、シルエットを楽しむためのスタイルとして捉えると、選択の幅が広がります。肩幅の位置と着丈のバランスさえ整えれば、体型を問わず取り入れやすい着こなしです。
まとめ
ヴィンテージアイテムのサイズ表記は、現在の基準とは異なる場合が多いため、号数やS/M/Lの表記をそのまま信じるのではなく、着丈・身幅・肩幅の実寸を確認する習慣が欠かせません。オーバーサイズを楽しむ場合も、肩幅の位置とレイヤードのバランスを意識することで、体型を問わず着こなしやすくなります。実寸を測る習慣が身につけば、性別やブランドの区分にとらわれず、幅広い選択肢からサイズ感を判断できるようになります。次のページでは、こうしたサイズ確認のしやすさも含めて、購入経路ごとの使い分けを紹介します。
